尾高邦雄選集 第二巻
 仕事への奉仕
尾高邦雄 著
A5判 300頁
本体価格 3,496円
税込価格 3,845円
1995年4月1日刊行
ISBN978-4-944088-02-7 C1336

【 解説 】
社会学者尾高邦雄が生前の最後の仕事として自らまとめた選集の第二巻。マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波文庫)に表された勤労のエートスを、日本人の「仕事観」の中に求めて、日本の産業化のモデルを組み立てようとする尾高の労作が「仕事」をキーワードとして集められている。第1章では日本人の勤労観を概観する。第2章から第4章では「職業の倫理」を扱う。第5章では余暇活動にも注目し、実証的研究に基づいて仕事と余暇の統合を論証する。第6章では仕事における自己実現の要件を考察し、第7章収録の学園祭での学生に向けての講演では、若者に対して職業生活における自己実現のためのキャリアデザインを説く。

【 目次 】
第1章 仕事への奉仕
 1 奉仕観念の一般的喪失
 2 公の意味の拡大
 3 三つの職業観
 4 ふたつの奉仕主義
 5 仕事への奉仕

第2章 職業と現代の人間
 1 仕事・勤め先・地位
 2 組織体のなかに埋もれた職業
 3 職業にたいする心構えの弛緩
 4 献身すべき全体者の喪失
 5 危機救済の諸方向
 6 第一の処方 ――疎外体制から参画体制へ
 7 第二の処方 ――仕事献身のすすめ

第3章 職業意識と職業道徳
 1 職業気質と職業意識
 2 職業思想と職業道徳
 3 宗教と職業生活

第4章 職業の倫理 ――その概念と問題
 1 序説
 2 プロフェッションの倫理
 3 勤労の倫理
 4 有機的職業倫理と禁欲的職業倫理
 5 仕事の倫理とレジャーの倫理
 6 現代人の疎外
 7 組織のなかの生きがい

第5章 仕事かレジャーか
 1 現代人の生きがい
 2 職場忠誠心と仕事意識
 3 能力発揮と職業満足
 4 仕事とレジャーの概念
 5 余暇時間と余暇活動
 6 仕事 対 レジャーの五つのタイプ
 7 要約と展望

第六章 現代社会における自己実現
 1 仕事かレジャーか
 2 職業における自己実現
 3 自己実現のための三つの条件
 4 レジャーにおける自己実現
 5 第三の自己実現

第七章 職業の自由
 1 就職・リクルート
 2 職業の自由
 3 職業とアスピレーション
 4 自己実現のために

【 著者紹介 】
尾高 邦雄 (おだかくにお)
1908年 東京・下谷区根岸生まれ
1932年 東京帝国大学文学部社会学科卒業、文学部副手となる
以来、助手、講師、助教授、教授として、文学部社会学科で後進の指導に当たる
1969年 東京大学を停年退職、名誉教授となる 上智大学経済学部教授となる
1979年 上智大学を退職
1981年 主著「産業社会学講義」(岩波書店)を刊行
1993年 脳梗塞による呼吸不全のため死去、享年84歳

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