尾高邦雄選集 第三巻
 社会階層と社会移動
尾高邦雄 著
A5判 334頁
本体価格 3,496円
税込価格 3,845円
1995年4月1日刊行
ISBN978-4-944088-03-4 C1336

【 解説 】
社会学者尾高邦雄が生前の最後の仕事として自らまとめた選集の第三巻。マクロ社会学の視点から職業と社会変動を研究した「社会成層と社会移動(SSM)」に関する論文が集められている。第1章では国際的の実証的研究の概要が示される。第2章は本選集の唯一の書き下ろしであり、実証的研究の結果が述べられている。第3章では日本での調査結果を紹介し、第4章では職業の格付けに基づいて社会階層の尺度を構成して国際比較を試みている。第5章では就業構造、産業別人口構造を手がかりに、わが国の職業構造に迫り、第6章で中間階級に特化して論考をすすめる。第7章、第8章は、日本における階層構造の変遷をまとめたもの。

【 目次 】
第1章 社会階層と社会移動の研究
 1 序説
 2 局面T ――階層構造の測定
 3 局面U ――階層間移動の国際比較
 4 局面V ――地位達成経路の分析

第2章 社会階層と社会移動調査の回顧と展望
 1 三つの主要な研究課題
 2 階層構造の測定
 3 社会移動の国際比較
 4 地位達成過程の分析
 5 今後の課題

第3章 わが国六大都市の社会階層と移動
 1 序説
 2 調査方法
 3 調査結果
 4 結語

第4章 職業と社会的地位
 1 職業の貴賎
 2 職業の社会的評価の国際比較
 3 社会的地位の決定要因
 4 日本社会の階層的構造
 5 社会的階層の国際比較

第5章 職業と社会
 1 職業の意味
 2 職業の種類
 3 社会の職業構造とその変遷

第6章 日本の中間階級
 1 問題状況の概観
 2 紛糾する中間階級論議
 3 中間階級の実態はなぜつかみにくいか
 4 用語の混乱
 5 労働者階級意識の日本的形態
 6 階級判別の方法論
 7 日本の中間階級はどこにいるか

第7章 日本社会の階層的構造
 1 はじめに
 2 階級対立と階層的区分
 3 階級闘争の事実は果たして存在するか
 4 日本社会の階層的構造
 5 要約

第8章 日本の階層構造はどう変ったか ――中間層の動きを中心として
 1 序説
 2 階級意識における推移
 3 階層構造における変化
 4 中流階層と中産指数
 5 将来への期待

【 著者紹介 】
尾高 邦雄 (おだかくにお)
1908年 東京・下谷区根岸生まれ
1932年 東京帝国大学文学部社会学科卒業、文学部副手となる
以来、助手、講師、助教授、教授として、文学部社会学科で後進の指導に当たる
1969年 東京大学を停年退職、名誉教授となる 上智大学経済学部教授となる
1979年 上智大学を退職
1981年 主著「産業社会学講義」(岩波書店)を刊行
1993年 脳梗塞による呼吸不全のため死去、享年84歳

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