自己生産する組織
―組織の環境、公式構造、課業特性、能率、および有効性の関係―
小木曽道夫 著
B6判 190頁
本体価格 1,143円
税込価格 1,257円
2007年11月20日刊行
ISBN978-4-944088-16-4 C3036

【 解説 】
組織は、組織目的に志向しての統制とこれに対する応答行為から構成されるコミュニケーションを自己生産、すなわち、自己の構成素または単位体を生産するシステムである。予測可能性の軸における継起的な情報エントロピーは、ある事象によって他の事象を予測できる程度が高ければ低くなり、理解可能性の軸における同時的な情報エントロピーは、意味するものと意味されるものとの結びつきが明確であれば低くなる。本書の理論的根拠となる第一命題は、組織のコミュニケーションにおける情報エントロピーが低ければ組織成果は高くなる、第二命題は、組織の外部環境についての情報エントロピーが低ければ有効性は高くなる、である。組織環境、公式構造、課業特性、能率、および、有効性の変数間関係についての命題は、自己生産を理論的根拠として事後解釈することができる。

■筆者のホームページでの本書の紹介(別ウィンドウが開きます)

【 目次 】
1 組織
 1−1 制度としての組織
 1−2 個人と組織
 1−3 組織とコミュニケーション
 1−4 ネットワーク型組織とヒエラルキー型組織

2 自己生産
 2−1 自己組織化と自己生産
 2−2 情報プロセシングと情報プロデュース
 2−3 構造自己生産と情報エントロピーの減少

3 組織環境
 3−1 システム/環境図式から見た組織環境
 3−2 組織の内部環境
 3−3 組織の外部環境

4 公式構造
 4−1 官僚制と情報プロセシング
 4−2 公式構造の次元的方法による操作的定義
 4−3 影響力の分布
 4−4 公式構造の内部相関
 4−5 公式構造の説明
 4−6 官僚制の限界

5 課業特性
 5−1 課業特性と創発的構造
 5−2 課業特性および創発的構造の内部相関
 5−3 課業特性の説明

6 能率
 6−1 能率と非公式構造
 6−2 能率の内部相関
 6−3 能率の説明

7 有効性
 7−1 有効性の定義
 7−2 環境と構造との交互作用効果による有効性の説明
 7−3 課業特性または創発的構造による有効性の説明
 7−4 能率による有効性の説明

【 著者紹介 】
小木曽 道夫 (おぎそみちお)
1960年 東京都生まれ
1983年 上智大学文学部社会学科卒業
1989年 上智大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程修了 文学博士
現在 國學院大學経済学部教授
専攻 組織社会学・産業社会学 
主著 『組織の自己革新』『ネットワーキングとは何か?[増補改訂版]』

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